N邸 堺市
とても古いこの建物は、改装が施され、壁や天井には化粧板が貼られ、床は既製品のフローリングでした。
古き良き雰囲気に戻す為に、天井や壁をを撤去し、古い柱や梁を表しました。広い天井裏は、新たにロフトを作り、寝室とクローゼットとしました。ロフトに上るための階段も足場板をカンナで削り製作しました。床は全面に無垢の板を貼り、壁はもともとの土壁部分はは左官の壁と、新しく造作した壁の仕上げは白塗装にしました。建物奥には大きな庭があり、縁側の延長としてウッドデッキを設け、地面には古いレンガを敷きました。
汚くなった部分を隠すようにリフォームが施されていた空間は、古き良き雰囲気を可能な限り生かすような空間にし、新しい部分はシンプルな雰囲気にして味わいのある古い部分を引き立ててくれるような空間構成になったかと思います。
この建物が持つ雰囲気を残しつつ、生かしつつ、築100年の家は、また新しい歴史をつくってくれると思います。
長年積った塵や埃は施工中の僕たちを苦しめましたが、きっちりとしたデザイン構成と材料の選定をきちんとすれば、味わいのある空間がローコストで出来ます。古いがゆえに苦労もありますが、この建物がもつ雰囲気も十分引き出せた思います。
工事中の写真です。
歴史のある建物を生き返らせるのは大変です。長い年月積もった埃と闘いながら、
昔の立て方の工夫や知恵も学びながら、現代の工法や、耐震にも気を配りながらの
施工となりました。